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軟部肉腫は難治性の腫瘍

軟部肉腫という、身体の軟部組織から発生するがんがある。このがんは、悪性軟部腫瘍とも呼ばれる。軟部組織とは、胃や肺などの臓器や骨と皮膚を除く、筋肉、腱、脂肪、血管、リンパ管、神経などのこと。軟部肉腫は四肢(腕や足)や頭頸部など体内の広範囲に発生し、腫瘍の種類も30種類以上にのぼる。その代表例として悪性線維性組織球腫や脂肪肉腫、血管肉腫、線維肉腫などが挙げられる。

国内での発生率は10万人に2人と少なく、治療は経験の豊富な大学病院などの専門病院で受けることをおすすめする。

根治のためには、早期に発見して進展範囲を詳しく調べた後、外科手術での完璧な腫瘍の切除が最も重要になる。さらに軟部肉腫の場合は、腫瘍の周囲から3センチ以上広く切り取る手術(広範切除)が一般的。正常組織にも腫瘍細胞が入り込むことがあるため、再発防止のために広範切除を行うわけだ。


実際の小線源療法による放射線照射の様子 しかし、腫瘍のできた場所により、広く切り取るのが困難なケースがある。特に大切な神経や血管などに接していると、根治のためには手足を切断せざるを得なくなることが多かった。

切断には多大な精神的ショックが伴ううえ、手術後のQOL(生活の質)も大きく低下する。これを避けるために行われるのが小線源療法による「患肢温存療法」である。

乳がんにおける「乳房温存療法」と同じように、手足の温存が手術後の放射線治療によって可能になったのだ。


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